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生きることは愛すること

「100万年も しなない ねこが いました。
100万回も しんで、100万回も 生きたのです。」

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『100万回生きたねこ』(佐野洋子 作・絵)。

出版30年ということで、書店にコーナーが設けられていた。
これを機にこの本を手にする人が増えることだろう。
手にするのは新しい読者ばかりではない。
昔読んで忘れていたのを改めて……という人も多いだろう。
私のように。

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「あるとき、ねこは 小さな 女の子の ねこでした。ねこは、子どもなんか だいきらいでした。」

同様に、ねこは、あるときは王さまに、またあるときは船のりに……多くの飼い主に愛されるが、どの飼い主のことも「だいきらい」だった。
ねこが好きだったのは自分だけ。

そんなねこは、あるとき「白い うつくしい ねこ」に出会う。

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その白いねこを愛し、子どもたちにも恵まれたねこは、やがて訪れた白いねこの死に号泣する。
そして、白いねこの隣で動かなくなった「ねこは もう、けっして 生きかえりませんでした。」

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ねこはどうして生きかえらなかったのだろう。

その答えは、それまでの「100万回の生」と「最後の生」はどこが違うのかを考えることでわかる。

「100万回の生」でねこは愛されても愛することはなかった。
「最後の生」でねこは白いねこを(そして子どもたちを)愛した。

「愛する」という行為の有無、これが決定的な違いだ。

そして、死ぬためには生きなければいけない。
「100万回の生」をねこは生きていなかった。だから死ねなかった。

だが、「愛する」ことを知った「最後の生」だけは、ねこは生きた。生きたから死ぬことができた。

つまり、「生きるとは愛すること」「愛することは生きること」……それがこの絵本のテーマなのだと思う。

だから、愛することを教えてくれた大切な人にプレゼントしたら素敵なんじゃないかな、なんてことを考えたりする。相手がどんなふうに読み取ってくれるかはわからないが……。

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